備中神楽を未来永劫に
井原市北山町から発祥した北山社は明治、大正、昭和、平成そして令和と激動の中で127年間、地域の氏子皆様や神楽ファンに愛され、ご贔屓いただき心から感謝申し上げます。
私どもは、プロの神楽社中として師匠、先輩から厳しく口授口伝で指導をしていただき奥深い神技を継承して参りました。昭和54年には、国の重要無形民俗文化財にとして全国に知られる郷土芸能に発展し、国内だけでなく海外公演に出かけ日本文化の紹介をしてまいりました。
北山社創設期
このように隆盛を極めた神楽も第二次世界大戦により敗戦国として神楽の奉納ができなくなった時期もありましたが先輩方の努力により今に引き継がれている。困難の中でも備中神楽は郷土の大切な宝として、魂として残っている。その思いを皆様に知っていただきたいのです。
しかし、国の文化財に指定されながら備中神楽を最初から最後まで見た人は非常に少ないのではないかと想像いたします。確かに神楽は難解なところも多々あると思います。私たち神楽師は、古い伝統は残しつつもより分かりやすく未来の子供たちに伝えていく責務があると思います。
そこで、少しでも多くの人が見られる機会を設けたいと考え平成28年に井原市の駅前に常設舞台で定期公演に取り組んでまいりました。月1回の公演は自分たちで動員をし、広報活動等全て手弁当でやってきました。ほぼ満席でやって参りましたが席が埋まらないと不安とリスクが大きくなり次回の公演ができなくなると言う不安も常にありますがお客様に備中神楽を初めて見て感動したと言われるのが唯一救いです。今は、コロナ禍でありますが予約、要望に応じて公演し、備中神楽の魅力を一人でも多くの人に知っていただきたいと考えております。
その他全国レベルの芸能大会や石見神楽など他地域の神楽とも共演し成果をあげています。また子供神楽の育成にも社中全員で指導しており将来が非常に楽しみであります。この備中神楽を未来永劫に伝えていくためにはユネスコ無形文化遺産として世界遺産認定に向け努力したいと考えています。 北山社社長 守屋弘旨
北山社のメンバー(笹賀荒神神楽 大当番 浜田様宅にて)
神楽実績
神社奉納神楽をはじめ各種イベントに出演 近年の主な公演
昭和45年:大阪万国博覧会にて公演。
昭和53年:宮中東宮御所での天皇陛下奉献。
昭和54年:ブラジル、アルゼンチン、ペルー等など海外文化訪問公演。
平成4年:岡山県営農文化交流会でインドネシアに派遣神楽。
平成5年:伊勢神宮にて遷宮祭の神楽奉納。
平成10年:NHK 「ふるさとの伝承」に出演し全国放映。
平成13年:大阪えびす神社・京都石清水八幡宮にて奉納神楽。
平成26年11月:就実大学、公開学術講演会に招聘、神楽の説明の後、「猿田彦命の舞」と「大蛇退治」の公演。
平成26年9月:「備中神楽・お囃子シンポジウム」を倉敷市芸文館アイシアターにて出演。
平成28年11月:高知県民文化ホールで開催された中国・四国ブロック民族芸能大会に出演。
平成30年12月:雲南市総合芸術文化祭~出雲神楽×備中神楽の競演にゲスト出演。
平成30年1月:岡山県立大学の「音楽の鑑賞」の講義に「猿田彦命の舞」と「大蛇退治」の公演。
北山社の沿革
明治30年頃、井原市青野町の渡辺盛平を中心に渡辺社と三宅社が統合し北山社を設立。
初代社長:渡辺盛平(井原市青野町)
昭和10年:二代目社長に 片山正一 就任(井原市北山町)
昭和52年:三代目社長に 田辺豊市 就任(井原市美星町)
平成 2年:四代目社長に 藤井重美 就任(高梁市川上町)
平成21年:五代目社長に 安達 績 就任(井原市下出部町)
平成23年:六代目社長に 守屋弘旨 就任(小田郡矢掛町)現在に至る
問い合わせ先
715-0014 岡山県井原市七日市町148 北山社事務局 鳥越孝太郎
携帯080-5623-9110 メールkagura9110@gmail.com