吉備津彦命による温羅と呼ばれた鬼を退治した伝説が語り継がれ、昔話桃太郎の原型とされ吉備津神社の縁起に関する岡山独自の神話劇です。
優しく解説
吉備津神社の祭神である吉備津彦命は、「古事記」に伝わる古代日本の皇族です。第7代孝霊天皇の皇子として生まれ、四道将軍の一人として、西国から運ばれてくる物資を略奪するなどの悪行を重ねていた温羅を討伐するために吉備国へ派遣されました。そして、現在の「吉備津神社」の場所に本陣を構え、温羅を退治し、平和をもたらしたと伝えられています。
桃太郎のお話は、桃太郎が吉備津彦命、鬼が温羅として昔話化したものだと伝えられています。
備中神楽のストーリー
登場の神々
1.吉備津彦命(きびつひこのみこと)
2.岩山明神(いわやまみょうじん)
3.内宮姫(ないぐうひめ)
4.温羅(うら)
吉備国を治めていた岩山明神が登場し、万民を悩ます温羅に困っていた。
そこで岩山明神の娘である内宮姫が登場し吉備津彦命に、「2本の矢を放てば、1本が温羅の矢と食い合い、もう1本が温羅に的中する」という策をさずけ、弓矢を渡し「軍略に功をたてよ」と伝える。
吉備津彦命の合戦前の力強い舞の後、温羅が登場荒々しい地舞。休息中の温羅の背後から、そっと近づく吉備津彦命。スモットを交えながら温羅と吉備津彦命の戦いは激しくなる。
次に舞台に白い布を流し血吸川に見立て両岸で気配を探る舞。更に弓を引きながら激しくぶつかり合う。ここでの太鼓の囃子が独特なもので見所です。相撲や刀で切りあいながら、戦いは続くが相手を見失い座り込んだ温羅。居眠りしているところへ吉備津彦命はそっと後ろから近づき。温羅は降参する。降参した温羅は、吉備津彦命に吉備の系図をささげ温羅征伐を成し遂げ、温羅を守り神として祀った。